|
車で西に移動すること約30分。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの北部に位置する
「カサート・プリメ・ドンネ」に移動してきました。
こちらではロッソ・ディ・モンタルチーノや
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノなどを
造っています。 |
まず先に葡萄畑を案内してくれました。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの丘は東西南北で土質がだいぶ違うとの
ことですが、 北部は主に「粘土質」の土壌で、我々が訪問した日は朝方に
雨が降ったらしく若干ぬかるんだ状態。
粘土質の土壌は初めて体験しましたが、
イメージをはるかに超える粘土感でした。
写真の通り靴底にがっちりこびりついてしまい、
落とすのにとても苦労しました。
確か良い葡萄を造るには水はけが良い土壌が
適しているそうですが、粘土質の土壌は葡萄の
成長にどんな役割を果たしているのでしょうか? |
粘土質の土壌は保水性が抜群のため土壌の
温度が低くなるので(同じく粘土質土壌といえば
フランス・ボルドー右岸のサンテミリオンや
ポムロルなどが有名です)、日照りに弱い
メルローなどに適しているそうです。
地表の粘土で安定した保水&保温をして、
地中の砂礫や石灰で栄養を十分に
吸収するというイメージのようです。 |
ワイン造りにおいて「テロワールの違いは水分の違い」と
言う人もいるくらいですから、味わい深い風味とがっちりとしたボディの
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノには、濃い色合いで凝縮感に溢れたワインが
できるこの粘土質が適しているのかもしれませんね。
ただモンタルチーノの丘は場所によって様々な土壌環境のようなので、いろんな
味わいのブルネッロ・ディ・モンタルチーノが造られるというわけのようです。 |
葡萄畑はまだ剪定の時期で、写真のような
「垣根仕立て」で均等に植えられていて
葡萄樹が暖かくなるのを待っていると
いった感じでした。
暖かくなってくると枝の中央のカットされている
部分から枝が伸び始め、ひとつの枝に
一房の葡萄が成っていきます。
ひとつの樹に出来る葡萄の房の数を少なくする
ことによって凝縮感のある葡萄を作るのです。
丘の頂上から絶景の景色を眺めさせてもらった後、
500年以上前の中世の時代から存在している
という施設内を案内していただきました。 |
通常収穫された
葡萄ジュースは、
ステンレスタンクの
中で発酵して
ワインになっていき、
その後木樽で
熟成されます。 |
|
|
|
しかしこのワイナリーではステンレスタンクの他に
「セメントタンク(コンクリートタンク)」を使用しています。
元々数十年前まではどこのワイナリーもコンクリートで出来たセメントタンクを
使っていたそうです。しかしセメントタンクを使用すると、セメントがワインを
吸収して香りが移ってしまいメンテナンスに手間がかかっていました。
そこで手間がかからないステンレスタンクを使用するワイナリーが一気に広がり、
セメントタンクを使うワイナリーは徐々に減っていったそうです。
しかしセメントタンクのメリットとして
◆長期熟成、長期保存が効く
◆ステンレスに比べて高い温度で熟成が出来る
などステンレスにない特徴があり、
近年フランスのトップメーカーの「ペトリュス」や「シュヴァル・ブラン」なども
セメントタンクの使用を再開しているとのことです。 |
|
>>その3へ続く |
|
|